現代のファッションだったら、おそらく<ジャケット&パンツ>と呼ぶことだろうが、1950年代当時はもっぱら<替え上着と替えズボン>の時代であった。まさしく替え上着というにふさわしいツイードや大格柄のスポーツジャケットにフラノやギャバジンのスラックスの組合わせ。そんなカジュアルなスタイルであるにも関わらず、当時の男たちはどこへ行くのにもネクタイを手放さず、Vゾーンの構成に一生懸命凝ったものだった。
50〜60年代に流行したジャケット・スタイル:スポーティーなシングル3ボタンジャケット
1954年のヘリンボーン柄ジャケット。ポケットがすべてフラップ付きのパッチポケットとなっており、スポーティーな雰囲気をいっそう強調している。ボトムにはジャケットよりわずかに淡色の無地を合わせる。