ザ・ビートルズの来日をきっかけに一挙にブーム化
GS(グループサウンズ)という名で、日本にバンド・ブームが訪れたのは1967(昭和42)年のことだった。エレキギターを中心にした4、5人編成のバンドで、ジャズ喫茶華やかなりし60年代の初期から存在していたものだが、66年のザ・ビートルズの来日をきっかけに一挙にブーム化したのだ。彼らのステージ衣装が「GSファッション」と総称されたのだが、それにはおよそ三つの系統があった。ひとつはおもちゃの兵隊を思わせる「ミリタリー・ルック」で、ザ・スパイダーズやザ・ジャガーズが得意とした。ふたつ目は王子様のようなロマンチックなベルエポック・スタイルで、これはザ・タイガースやオックスに代表される。そしてもうひとつは民族調の服やジーンズなどを用いたヒッピー・スタイルといえるもので、ザ・モップスや金のないバンドがもっぱらステージ衣裳としていた。スーツ・スタイルで演奏するブルー・コメッツなどは珍しい存在だったといえるだろう。