現代のファッションだったら、おそらく<ジャケット&パンツ>と呼ぶことだろうが、1950年代当時はもっぱら<替え上着と替えズボン>の時代であった。まさしく替え上着というにふさわしいツイードや大格柄のスポーツジャケットにフラノやギャバジンのスラックスの組合わせ。そんなカジュアルなスタイルであるにも関わらず、当時の男たちはどこへ行くのにもネクタイを手放さず、Vゾーンの構成に一生懸命凝ったものだった。

50〜60年代に流行したジャケット・スタイル:アメリカン・コンチネンタル型のジャケット

50〜60年代に流行したジャケット・スタイル:アメリカン・コンチネンタル型のジャケット

1959年IACD(全米衣料デザイナー協会)から発表された<アメリカン・コンチネンタル>と呼ばれる流行型を取り入れたジャケット。欧州調の原型をアメリカ的な感覚で修正したのが、この流行型のポイント。