現代のファッションだったら、おそらく<ジャケット&パンツ>と呼ぶことだろうが、1950年代当時はもっぱら<替え上着と替えズボン>の時代であった。まさしく替え上着というにふさわしいツイードや大格柄のスポーツジャケットにフラノやギャバジンのスラックスの組合わせ。そんなカジュアルなスタイルであるにも関わらず、当時の男たちはどこへ行くのにもネクタイを手放さず、Vゾーンの構成に一生懸命凝ったものだった。

50〜60年代に流行したジャケット・スタイル:セパレーツスタイル3着

50〜60年代に流行したジャケット・スタイル:セパレーツスタイル3着

ヘリンボーンツイードと薄いグレーフラノとグリーン系ナップツイードのスポーツジャケット3体。これは1958年5月号掲載のものだが、当時は季節感などあまり気にしなかったのか。それとも季節の先取り情報か。