1950年代の日本の男たちの服装には、ファッションという概念はまだなかった。ましてやカジュアル・ウエアなどという概念はまったく見当たらず、せいぜいスポーツウエアという考え方しか存在していなかた。そうしたおしゃれを代表するのが各種のスポーツシャツとニットで、これれにはさまざまなバリエーションが見られる。それに合わせるパンツにもさまざまなものがあって、たとえば早くもブルージン・スラックスなどという名称が垣間見える。
50〜60年代に流行したニット&シャツ・スタイル:56年冬向けのニットウェア
「冬のカジュアルファッション」と題した56年冬向けのニットウェア。キモノ風の襟を特徴とするプルオーバーとボタン位置の低いダブルカーディガン。こちらのデザインとイラストはすべて宮内裕氏による。