別冊 男子専科 男のインテリア(昭和56年12月15日 発行)
今日から、男のインテリア。
「インテリア」という言葉には、どうも女性的な響きがあるらしい。男は外界に7人の敵がいるから、家のことは家族にまかせ、インテリアなんておもはゆくて・・・・・・女子供にやらせておけばいい、と男はいう。そのくせ、1人だけの時間が欲しい、父の座がない、男の復権をせねばと毎日、思う。
ならば、なぜ部屋に興味を持たないのか?子供の部屋はあっても自分の部屋がないから・・・・・・、オレの部屋は汚いままでいいんだ、どこに何があるかわかっているから・・・・・・。これはどうも、日本人独特の美意識のような気がする。
男は、何も部屋をピカピカに飾りたてる必要はない。部屋のどこかに、自分の好きなものを置けばいい。自分の存在を示すモノを置けばいい。要は、快適空間を生み出すこと。
私たちは、人間そのものがインテリアの原点であると思う。人生そのものがインテリアだと思う。色調や様式、間取りは二の次。男がモノを選ぶときその理由を明確にするように、部屋にも存在理由を持たせてあげたい。もう、インテリアを女や子供だけの手にわたしておく時代はやめにしたい。いい男たちよ。今日から、男のインテリア、である。
先輩たちのMY SPACE「栄久庵憲司」
時代のリーダーたちの城、スペース、コーナーを徹底ルポ
部屋は禁欲的であるべき。書斎の白壁に像を映し出すのが男の真骨頂ですよ。−−−インダストリアル・デザイナー・栄久庵憲司