男子專科 第六号 (1952年(昭和27年)5月発行)より
西部の背景
西洋チャンバラなぞと、悪口をいっている間に、西部劇は独得の魅力で大衆を掴んで、近頃では、スピーディーな動きの中に、赤裸々な人間を描いたり、火を吐く拳銃の陰に、人情の機微を捕らえたり、荒野に流れる歌声に、ほのかな情感を漂わせたり、映画としてみごとに成長してしまった。もう西部劇もただの活劇ではない。その証拠には、西部活劇なんていう名さえ、もう消えかかっているではないか。
こうなってくると、観る方でも、悪玉と善玉の区別さえ附けておけば、場所なんざ何処だろうと、一向にお構いなしと、一杯機嫌みたいに、構えてばかりもいられない。リオ・グランデとは何処かを流れる河で、サン・アントニオは何処ら辺、赤い河はどっちの方と、一応知っておきたくもなる。
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スマートな男子のお洒落生活雑誌! / アメリカではツイード系の服が圧倒的に流行している / ロス・アンゼルスのショウで発表されたアメリカ西部の軽快なニュー・スタイル / 恋愛手帖 / 西部劇の背景 / 他 ・・・目次より
男子専科 official (日本最古の男性ファッション誌)EC『男子專科 第六号 (1952年(昭和27年)5月発行)デジタル』
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