年代別『カジュアル』物語:90年代「デルカジ」1992~

モデル特有のカジュアルな着こなし

90年代「デルカジ」1992~

ファッションモデルのことを業界用語で略して「デルモ」といい、モデルが着ているようなカジュアル・ファッションで「デルカジ」という。もちろん和製語のひとつで、ファッション雑誌の命名によるという。さすがモデルたちの着こなしにはカッコいいものがあり、同じ服を着ていてもどこか違う雰囲気を感じさせることがある。そうしたモデル特有のカジュアルの着こなしをこう呼んだもので、1991(平成4)年春ごろから使われ始めた。たとえばカーディガンを脱いだ時に、手に持つのではなくて、さりげなく肩に掛けてさっそうと歩く。これが「モデル巻き」などと呼ばれる着こなし。今では「純一巻き」(俳優の石田純一がやるような)などと呼ばれて、すっかり時代遅れの着こなしになっているが、当時は最新の着こなし方だったのだ。デルカジを関西方面では「モデカジ」と称することもあったが、語呂が悪いせいか、これはあまり一般化しなかった。

ファッション蘊蓄事典(2004年(平成16年)9月発行)デジタルより