日本のファッション用語には海外でまったく通じないものが沢山ある。たわむれに抽出したところ、それは400語ほどにも達した。その中から和製英語に属するものを中心に200語あまりを抜粋。今回ここに紹介するのはそこから厳選した用語の類で、その多くはすでに一般化しているから、国内で使用する限りはまったく問題ないのだが、いざ海外でという時に困ることが多い。日本だけのおかしなファッション用語というのも、これはこれで面白いのだが・・・・・。

セット・アップ

海外でまったく通用しないファッション用語:セット・アップ

セット・アップ
set-up

正しくは
【コーディネート・スーツ】
coodinate suit

セットアップは「組み立て」という意味で、あらかじめ用意された共生地のジャケットやパンツ、スカートのうちから、自分のサイズや感覚に合ったものを選んで組み合わせ、完全なスーツとして着こなせるようにした単品売り式のセットをいう。本来は、上下でサイズの合わないメンズ・スーツの販売手法のひとつとして考え出されたもので、こうしてできあがったスーツ・スタイルをセットアップ・スーツとも呼んでいる。

セットアップというのはファッション用語なのかというと、これはもうまったく自信がない。ちなみに《ランダムハウス英和大辞典》でセットアップを探すと、「立てる・起こす」からはじまって「(モルタルなどが)固まる」に至るまで、17もの訳が示されているが、ファッションに関連することはひとつも出ていない。日本で考え出された独特の服飾用語なのであろう。だから、外国ではまったく通じない。一応、正しくはコーディネート・スーツと書いておいたけれど、これも本当のことをいえば、なんとも心許ない。コーディネート・スーツ(コーディネーツとも略す)とは、もともとアメリカ生まれの用語で、上衣とパンツを別の生地で作って、よくコーディネート(統合・調整)させ、スーツ・スタイルに仕上げたセットをいう。完全な共生地のスーツではなく、色・柄・素材のなんらかで、上下に共通性を持たせた組み合わせ型のスーツをいう。まあ、自分でコーディネートするという意味で、コーディネート・スーツと呼んでも間違いではないと思うけれど、セットアップだけではなんのことかわからないだろうなあ。それにしてもセットアップ販売というのは便利ですよ。