『男子專科』創刊号(昭和25年(1950年))より

『男子專科』創刊号(昭和25年(1950年))より

ズボンの持つ微妙なヴァリエイション!

さう重大でないやうだけれどもお洒落な男性が案外神経を使ふのがズボンである従ってズボンといふのは、目に立たない微妙な所に流行の変遷がある。では何処に?---しっかりとよく御覧下さい!

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昭和25年(1950)創刊:『男子專科』

昭和11年(1936年)といえば、二・二六事件、日独防共協定の締結など、軍国主義へと向かう足音が高く高く響きわたりはじめていた時代、そんな時代に、おしゃれなファッション誌『スタイル』が宇野千代によって創刊された。

表紙はかの、藤田嗣治画伯である。当時としては、なんとモダンな、宇野千代の感性がいかんなく発揮された画期的な女性誌であったことか。

軍部の統制により一度は廃刊に追い込まれた『スタイル』であったが、昭和21年(1946年)、復刊をはたす。世の中が落着きを取り戻し、女性におしゃれ心が戻ってきた頃、逆にみすぼらしく見える男のおしゃれに提言する雑誌『男子專科』が臨時増刊号として発刊される。

雑誌の命名は、文筆家として編集者として宇野千代を支え一時代をともに生きた、北原武夫である。

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