『男子專科』創刊号(昭和25年(1950年))より

『男子專科』創刊号(昭和25年(1950年))より

帽子の新型をコナすには心臓が要るが、然し諸君、自信を以て堂々と被り給え!

帽子といふものは、同じ帽子でも、被り方一つで、大層重々しく且つ老けて見えたり、又逆に軽快で若々しくもなる。その好例がABCにある。ハンバーグ型で、この型は、元来、被った際に絶対前鍔を下げないものとされ、或る意味で最も正式(正装的)な帽子とされてきたが、どつちかと言へば、老けて見えるため若人には余り歓迎されなかったものである。それがごく最近鍔の縁を切りッぱなしにしたスナップブリム型を被る時のやうに前鍔をぐつと折って被ると非常に若さも発揮出来、その上このスタイル特有のズッシリした重厚感から非常に品よく見えるといふので、年齢を問はず最も全盛を極めている。