男子專科 1986年7月号 NO.268 より:思い出の日々に捧ぐ我がヴィンテージ・ホワイト

男子專科 1986年7月号 NO.268 より

思い出の日々に捧ぐ我がヴィンテージ・ホワイト-1

流行はいいものである。私はその良さを十分に知っている。それでもやはり、流行もいいけれど・・・・・・という思いを抱かざるを得ないのだ。

流行もいいが、私のようなガンコ者がいてもいいだろう。ファッションに関わっていながら、流行に関心がなく、友人からいろいろと人気ブランドを言われても、トンチンカンプン。

しかし私のセンスも、ガンコはガンコなりに、こだわりがあるのだ。(多少ガンコを売りモノにしている面もあるように自覚はしています)。

夏になると、自分の子供のころのオヤジを思い出す。タンスから白い麻のジャケットをとり出し、ベランダで陰干しをしていたっけ。

白いたっぷりしたシャツに、深いタックのはいった麻のパンツ。それにジャケットがよくマッチしていた。

白と黒の、ツー・トーンのシューズと、ストロー・ハットを思い出す。あの組合わせも絶品であった。

オヤジがたいへんおしゃれだったことに、いまさらながら驚かされる。水玉のネクタイも、この季節には強く記憶に残っている。

それにしても、あの白いアンサンブルをいつクリーニングに出していたのだろう?いつもホワイトをダンディに着こなし、おしゃれを楽しんでいたように思うのだが、そういう裏を人に見せずに、おしゃれをしていたところが、いかにもオヤジらしい。

・・・次回更新に続く