男子專科 1986年12月号 NO.273 より

男子專科 1986年12月号 NO.273 より

レトロ傾向を横目にヘビー・ギアをたのしむ-1

いまこの原稿を書く寸前まで、冬のショップ・ディスプレイ企画書を作っていたのである。ということは、この原稿も締切りを過ぎているわけで、なんと言うか、忙しい毎日なのである。

さてその、ショップ・ディスプレイのテーマだが、「ヘビー・ギア」に決定した。今月のアイデアも、そういうわけで、できたそのホヤホヤ「ヘビー・ギァ」なのだ。

ヘビーの意昧は「重い」ということだが、ファッションの場合は、重量が重いというのはない。要するに「重く見える」スタイルを指す。具体的には、重ね着などのコーディネートになるわけ。この重ね着の感性を楽しんでみようという提案が、「ヘビー・ギア」なのでみる。ま、当たり前と言えば当たり前だが、ヘビーと言うと、持ち上げるのも大変な重いコートなんか連想する人が、ずいぶんといるのですね。

もうひとつの「ギア」とは、「機能的」という意味でとらえている。したがってスポーツ・ウエアが、その主流となってくる。

「ヘビー・ギア」とは、もちろん私の得意とする造語(つまり私が創造した言葉)だが、スポーティなカジュアル・ウエアを、より重ね着することによって、ファッション化すると、いうように考えていただきたい。

矢島氏のイラストを楽しんでもらいながら、このスタイルの特徴を紹介することにしよう。

・・・次回更新に続く