現代のファッションだったら、おそらく<ジャケット&パンツ>と呼ぶことだろうが、1950年代当時はもっぱら<替え上着と替えズボン>の時代であった。まさしく替え上着というにふさわしいツイードや大格柄のスポーツジャケットにフラノやギャバジンのスラックスの組合わせ。そんなカジュアルなスタイルであるにも関わらず、当時の男たちはどこへ行くのにもネクタイを手放さず、Vゾーンの構成に一生懸命凝ったものだった。
50〜60年代に流行したジャケット・スタイル:流行ジャケットの形いろいろ
1950年10月号に掲載された流行の上着型の数々。ウエストは強く絞らず、ラペルは長く、上着丈も長くなっているのがトップスタイルだそう。戦後まもなくのことで、まだまだボールドルックが残されているのがわかる。