今でこそコーディネーションとか、コーディネートといえば当たり前の言葉だが、1950年代にはそうした表現はなく、コンビネーションとかアンサンブルといった言葉のほうが幅を利かぜていた。ともに「組合わせ」や「調和のとれた装い」の意味で用いられるもので、現在の着こなしからするとまだまだおとなしいものだった。しかし、当時の上品なおしゃれの香りに魅かれるのはどうしてなのだろうか。
50〜60年代に着こなしスタイル:冬のサラリーマン・ウエア
「1+α=5」と題した55年冬のサラリーマンウエア特集の第3弾の一部。今では当たり前の着回し術だが、当時、1着のスーツを5着に着ようというのは、かなりインパクトがあった。