戦前の日本の男たちはおしゃれの基本を英国紳士に倣ったものだったが、戦後はアメリカへのあこがれに一変してしまう。日本に進駐してきたアメリカの兵隊たちに、アメリカ文化の豊かさを思い知らされるようになったからだ。アクセサリーの類にもそうしたことの影響が強くあらわれ、いかにもアメリカ好みといった派手な色柄のものに人気が集まった。それは今では考えられないほど、明るく自由な感覚に満ちたものばかりであった。

50〜60年代に流行したアクセサリー・スタイル:ハンチング6種

50〜60年代に流行したアクセサリー・スタイル:ハンチング6種

日本では「鳥打帽」として知られるハンチング。もともと英国紳士が狩猟(ハンティング)用にかぶったところからそう呼ばれるが、接ぎが多く、てっぺんにポンポン飾りを付けたタイプはフランス語でカスケットと呼ばれる(1952年3月号)