東京ファション(DANSEN EX Nunber 4)・・・1987年 spring/summer

東京ファション(DANSEN EX Nunber 4)・・・1987年 spring/summer より

忌野清志郎 TALK(忌野清志郎)

忌野清志郎 TALK(忌野清志郎)

根本的に派手好きじゃない。ファッションはあんまり、よく知らないんですけど、ステージでは派手なほうが映るし・・・・・・。普段着でやっていても人気がでないし目立たないし、そういう人間の宿命みたいな、ね。音楽が、ああいうビートの強いものだがら合っちゃうんですよ。ステージの洋服を作ってくれているのが福生の人で、昔、基地だったところだから黒人相手にやってたんですよ。それで僕もその頃のファッション好きだから気が合って、ふたりで相談して洋服作るんです。黒人のレコードジャケットをまねして、それに合う生地でね。あと60年代後半のフールとかジミー・ヘンドリックス、ローリング・ストーンズの写真見たりして研究してます。それは時代遅れなんですけど。今、流行っているものは、絶対に取りいれたくない。だから、もうデザインも出つくしてしまってシンプルに戻りつつありますね。色だけ派手にして。

7、8年前は、派手ならいいって感じで。スタイリストもついてたんで、その人の趣味でしたね。でもそのスタイリストが男の人に狂っちゃって・・・・・・。仕事できなくなったんで福生の人に頼んだんです。その頃はまだアクセサリーもいっぱいつけてたんだけど、あれは重たいし、ケガするんですよ。

化粧を始めたのもその頃からですね。ファンの娘が一式くれたんです。それで、試しでやってみた反響がものすごくてね。やめてほしいとか、事務所の人にも絶対やめた方がいいとか言われてね。もうこれはやるしかないと思った。

最初はむちゃくちゃに色をつけた。でもプロの方にやってもらうのを見たりとか、メイクを落とさないで帰って家で研究したりしてね。まねした部分もありました。最近はほとんどパターン化してますけどね。

普段着も福生の人に作ってもらってるんですよ。自分で買うのはTシャツぐらいかな、鮮やかなブルーが好きなんですけど、なかなかない。でも白以外なら何んでも着ます。洋服も靴も履きやすいのがいい。ステージみたいなので生活するとアタマ狂っちゃいますよ。すぐ死んじゃうというか・・・・・・。ステージ衣装は自分の好みで変えてるんですけど髪型はそんなに変わらない。昔から他人に切ってもらって気にいったためしがないんで自分で切るんです。犬のハサミでで切るようになってから失敗はないです。

一般的に言うパンク・ファッションには、全然もう興味ないですね。80年の最初、意識したこともあったけど・・・・・・。う一ん、黒が多いでしょ。鎖がついてたりして。今ではロンドンでも観光地の名所っぽくて。コンサートに僕と同じような派手な子もいっぱいいるけど、もう、あきれますね、あれには。