服装全体にビッグ・スタイル化の傾向:「ビッグ・ルック」1973〜1979

服装全体にビッグ・スタイル化の傾向:「ビッグ・ルック」1973〜1979

1973(昭和48)年ごろから服装全体にビッグ化の傾向が見えてきた。ミニスカートに対するマキシスカートの台頭やベルボトム・ジーンズに続くフレアード・ジーンズの登場などで、そうした傾向は仄見えていたのだけれど、この年に入ってこれがいっそうはっきりしてきた。すなわち「ビッグ・ルック」の出現である。まずはビッグ・スカートと呼ばれる丈も長くたっぷりした印象のビッグ・スカートが挙げられる。そして股上が深くヒップから裾にかけて大きく広がるパンツ。これは袋のようなイメージがあるところからバギー・パンツと呼ばれた。これに厚底サンダルやパンタロン・シューズなどと呼ばれるヒールの高い靴を合わせてはくのが流行で、このころの若者たちはずいぶんと脚が長く見えたものだった。こうした下半身のビッグさに比べると、上半身はコンパクトにまとめるというのもこのファッションの特徴で、いわゆるピタTやミニセーターも流行した。

ファッション蘊蓄事典(2004年(平成16年)9月発行)デジタルより