現代のファッションだったら、おそらく<ジャケット&パンツ>と呼ぶことだろうが、1950年代当時はもっぱら<替え上着と替えズボン>の時代であった。まさしく替え上着というにふさわしいツイードや大格柄のスポーツジャケットにフラノやギャバジンのスラックスの組合わせ。そんなカジュアルなスタイルであるにも関わらず、当時の男たちはどこへ行くのにもネクタイを手放さず、Vゾーンの構成に一生懸命凝ったものだった。
50〜60年代に流行したジャケット・スタイル:60年冬のスポーツジャケット
1960年1月号掲載のカジュアルウエア2着。右はプルオーバー・ジャンパーと呼ばれるもので、現在ではあまり見ることがない。左は肩のヨーク切替えを特徴とした軽快なスポーツジャケットで、明るい色調が新鮮なイメージ。