男子專科 1986年8月号 NO.269 より

男子專科 1986年8月号 NO.269 より

第三のカジュアルストリート・フォーマル-1

4月のロンドンを歩いていると、アクアスキュータムや、オースチン・リードなど、有名店の並ぶリージェント・ストリートのショップ・ウインドーは、ポロ・シャツ、ブルゾン、パンツ、スポーツ・シャツがカラフルにディスプレイされている。

そのイメージは、ドライビング、テニス、フィッシングなど、アウトドア・スポーツをベースにしたジャンルである。

まさにヘルシーで、カジュアル・ファッションのべースである。休日の戸外での遊びやスポーツのためのウェアという、最も基本的なカジュアルがここにある。これを第一のカジュアルと呼ぶことにしよう。

しかし、サウスモルトンやセントクリストファー地区にはいると、少々趣きがちがってくる。ちょうど日本のヤングと同じようなビッグ&ルーズのスタイルに、ジャカードや複雑なプリントでコーディネーションしたウインドー・ディスプレイが中心になる。

グレー、ホワイトをイメージにカラー・コーディネーションされているが、このジャンルも新しいカジュアル・ファッションとして注目されている。

エスニック・スタイル、音楽、映画などの影響を強く受けて、いまやモテモテのファッション・ジャンルとなっているが、これを一応、第二のカジュアルとすることにしよう。タウンを背景に、おしゃれ着としてのカジュアルが、ここにはある。

カジュアルの波はさらに進み、私は今回のテーマとして、独自のデザイン・コンセプトである、第三のカジュアルを紹介することにしたい。それが『ストリート・フォーマル』である。・・・・・・疲れた。久し振りに真面目なファッション解説を長々とやったので、ペンを持つ右手全体がこわばってしまった。

・・・次回更新に続く