戦後しばらくの間、ヨーロッパのファッションはほとんどがアメリカを経由して日本に伝えられた。1947年に発表されたかの有名なディオールのニュールックにしても、日本に伝わったのは1〜2年後のことである。男性のファッションも同様で、たとえば英国発のダッフルコートでさえ、一旦アメリカ流に消化され、カジュアルな味が加えられてから、ようやく日本に上陸したのである。本物とはまだまだ縁遠い時代であった。
50〜60年代に流行したコート・スタイル:ウーステッド・コート
1952年に見るコート2着。ウールコートでも、より薄手のウーステッドを用いたものであるらしい。当時、紳士の着るコート丈は、このように膝下ちょっとのものがエレガントとされていた。