戦前の日本の男たちはおしゃれの基本を英国紳士に倣ったものだったが、戦後はアメリカへのあこがれに一変してしまう。日本に進駐してきたアメリカの兵隊たちに、アメリカ文化の豊かさを思い知らされるようになったからだ。アクセサリーの類にもそうしたことの影響が強くあらわれ、いかにもアメリカ好みといった派手な色柄のものに人気が集まった。それは今では考えられないほど、明るく自由な感覚に満ちたものばかりであった。

50〜60年代に流行したアクセサリー・スタイル:ソフトハット

50〜60年代に流行したアクセサリー・スタイル:ソフトハット

現在ではソフトハットというと「中折れ式」だけを指す傾向が強いが、1951年の夏ごろはさまざまなものがソフトと呼ばれていた。最も本格的なハンバーグを始めとして、スナップリムやチロリアン、ポークパイまである。