戦前の日本の男たちはおしゃれの基本を英国紳士に倣ったものだったが、戦後はアメリカへのあこがれに一変してしまう。日本に進駐してきたアメリカの兵隊たちに、アメリカ文化の豊かさを思い知らされるようになったからだ。アクセサリーの類にもそうしたことの影響が強くあらわれ、いかにもアメリカ好みといった派手な色柄のものに人気が集まった。それは今では考えられないほど、明るく自由な感覚に満ちたものばかりであった。
50〜60年代に流行したアクセサリー・スタイル:ボウタイとシャツのコーディネート
1952年9月号のボウタイ特集。バタフライからクラブボウまでさまざまな蝶ネクタイがあるが、それらとシャツの色とのコーディネートを示したもの。シャツは無地か霜降りにするのが無難で両方縞にするとヤボになる。