DANSEN FASHION 哲学 No.165 楳図かずお:原色と横縞と星が好きで、まるで星条旗・・・男子專科(1985年7月号)より

DANSEN FASHION 哲学 No.165 楳図かずお:原色と横縞と星が好きで、まるで星条旗・・・男子專科(1985年7月号)より

<うめず・かずお>奈良県生まれ。1965年、単行本『別世界』で漫画界にデビュー。独持のタッチで、怪奇ものからコメディ、SFと幅広いテーマの創作活動を行なう。'75年から6年近く少年サンデーに連載された『まことちゃん』は、コミックス1000万冊突破の大ヒットに。同年、小学館漫画賞受賞。現在は、ビッグコミック・スピリッツに『わたしは真悟』を連載中。ロックグループ「スーパーポリス」を結成したり、昨年は本多劇場で『私の青空』(北村想・作)に出演するなど、音楽、芝居にも意欲的な活動をみせる。

派手さ奇抜さで、いざ勝負・・・1

フアッションに対し「地味だね」といわれるのは、僕にとってはヒジョーに傷つく言葉。派手さ、奇抜さを信条にしている僕としては、心臓にグサッグ!とつきささをらいショックなのだ。

色もひたすら原色を好む。ずっと以前は赤と黒、次は赤・紺・白そして今は黄色、ブルー、ピンクと組合わせの色は変わるけれども、あざやかな原色を好むという点では一貫している。また、金や銀の光る色というのも大好き。

どうして、こんな派手派手スタイルが好きになったのか・・・・・・。ずっと昔、僕も地味でおとなしい服ばかりを着ていたときもあったのだ。漫画をかくというのは、部屋に閉じ込もってする作業。ましてや、墨汁にまみれてしまう仕事だから、せっかく買った大切な服をオシャカにしてしまったという悲劇を避けるためにも、なるべく汚ない服を着るようになる。となると、外に出るときくらいは、色があざやかできれいなものを、という思いが反動として表われたことも理由のひとつだろう。

加えて僕は、人に驚きを与えること、意外性にはっとさせることがとても好きな性分でもある。まあ、これは目立ちたがり屋といいかえることもできる。かくて、ギンギラギンファッションこそわが命、という具合になってきた。

・・・次回更新に続く