ファッションも遊びの精神で・・・2

DANSEN FASHION 哲学 No.165 楳図かずお:原色と横縞と星が好きで、まるで星条旗・・・男子專科(1985年7月号)より

DANSEN FASHION 哲学 No.165 楳図かずお:原色と横縞と星が好きで、まるで星条旗・・・男子專科(1985年7月号)より

だから僕は、気に入ったベルトを見つけると、ブルー、黄色、ピンク、黒といった具合に、好みの原色を何通りかいっしょに買うことが多い。Tシャツなんかにしてもそうだ。こうして揃えておくと、そのとき着る他のものに合わせて、さまざまな組合わせに対応できるし、その変化も楽しめる。

人より目立った服をしたがるタチだから、既製のものじゃ飽き足らず、デザイナーの人につくってもらうこともある。ところが、これも、こちらの意志がうまく伝わらないときが往往にしてある。デザイナーはプロだから、服をつくるうえでの基本概念−−−たとえば脇のラインはこうカットしなくちゃいけない、なんていうノウハウをよく知っている。ところが僕は、そんなものはまるで無視。背中や脇にヒレをくっつけてくれだの、まん丸い形の服をつくってくれだの、服づくりのセオリーからはみ出したことを注文するわけだから、まあ、それも無理もないことかもしれない。

一度、ぬいぐるみをつくる人に頼んだことがあるが、なかなか気に入りのものができた。やっぱり僕のファッション感覚は、かなり普通の枠からはみ出しているんだろうと思う。

もちろん、それは意識して狙いとするところでもあるのだが。遊びの精神といってもいい。

・・・次回更新に続く