年代別『カジュアル』物語:ベーシックなアイテムが基本のジュニア向けファッション
90年代「フレカジ」1992~
フレンチ・カジュアルの略で、フランス風の女の子たちのカジュアル・ファッションを総称する。1990年代に入り、「渋カジ」が不良ファッション化してパワーを失ってきた時期に台頭したのが「フレカジ」と呼ばれるジュニア向けのファッションだった。ベーシックなアイテムを基本にして、小粋にさりげなく着まわすというフレカジの精神は、当時の女の子たちの心情にぴったりで、アニエスb.やクーカイ、モルガンといったフレカジ・ブランドが大人気を博すようになる。このフレカジ流行そもそもの基盤を作ったのは雑誌『オリーブ』である。1982(昭和57)年5月に創刊された『オリーブ』は、ロリータ好みのピンクハウス・フィーバーを巻き起こすなど、いわゆる「オリーブ少女」を生み出したが、その編集方針のひとつに「リセエンヌ志向」という一貫した姿勢があった。フランスの私立女子中高生を意味するリセエンヌ、これが90年代になって一気に花開いたのである。