一着のレインコートをめぐる小説風断片(5)
・・・・・・これがコートだ。書きながら、僕にもこんなコートがあればいいな、と思う。そしてそのコートのことを少し考えてみる。それも文章を書くことの楽しみのひとつだ。きっとハンフリー・ボガートが着ていたような大柄のトレンチ・コートに違いない。フラップつきの大きなポケットがついていて・・・・・・ポケット?
そうだ、ポケットの中にはいったい何がはいっているんだろう。もちろん表からは見えやしないけれど、がっかりすることはない。 コートのポケットをひっくりかえす、それたけのことだ。例えば・・・・・・
・・・次回更新に続く