『サタデー・ナイト・フィーバー』の大ヒットから生まれた
1978(昭和53)年、最大の流行語は「フィーバー」である。アメリカのディスコ映画の傑作『サタデー・ナイト・フィーバー』の大ヒットから生まれたもので、それとともにここから80年代に続くディスコ・ブームも始まった。日本のディスコは60年代の「ゴーゴー喫茶」を手始めに、東京・赤坂の「ムゲン」や「ビブロス」で本格化するが、しばらく停滞の時期があった。それがこの映画のヒットで、再びディスコ文化が開花したのである。新宿、渋谷、六本木といった当時の東京のファッション・タウンに大小さまざまなディスコが誕生し、ジョン・トラボルタのような白のスーツに身を固めた若者たちが見られたのもこのころのこと。そしてディスコは奇抜な服装を競うファッションの場と化してゆく。そこから出てきたのが「竹の子族」で、彼らは高校生や中学生だったがゆえに、こうしたディスコから追い出され、仕方なく原宿の路上で踊るようになったのだ。