一流ブランドの品を好む高級志向のファッション表現
「きれいなカジュアル」の意味から「キレカジ」。「渋カジ」系の流れを汲むファッションで、より清潔感のあるそれを雑誌『アクロス』がこのように名付けたもの。紺ブレと俗称されるネイビーブルーのダブルのブレザーに白シャツ、ジーンズあるいはチノーズの組み合わせが代表的で、いずれも一流ブランドの品を好む高級志向のファッション表現だった。女の子たちも紺ブレにブーツを合わせ、ブランド品のアクセサリーで身を固めて、精一杯「キレカジ」を着こなしていた。こうしたファッションを「渋カジ・トラッド」という向きもあるが、それはこれらがラルフ・ローレンやポール・スミスといった質の高いトラッド・ブランドに支えられていたことに起因する。バブリーな雰囲気の「アルマーニズム」(ジョルジオ・アルマーニ大好き主義)に対する質実なイメージの「ローレニズム」。ヤンエグに対するチーマー。華やかなバブルの時代の中でも、このようなファッションの棲み分けは進んでいたのだ。