アメリカ版ツイッギーはウォーホルが愛したイーディ

アメリカ版ツイッギーはウォーホルが愛したイーディ

イーディ・セジウィックという女性をご存じだろうか? 憶えていたら「60年代の蘊蓄王」になれること間違いない。1980年代の初めにアメリカのデザイナー、ベッツィ・ジョンソンが彼女をイメージモデルとしたミニスカートやミニドレスを多数発表し、そこから「イーディ・ミニ」という流行語も生まれている。イーディ・セジウィックは1943年ボストンの名門の家系に生まれ、ファッションモデルとなって1965年の「ガール・オブ・ジ・イヤー」に選ばれるなど華々しい活躍をするが、彼女を彼女たらしめたのは私生活におけるアーティストたちとの交友関係にあった。時のポップアートのスター、アンディ・ウォーホルにとってイーディは「憧れの君」であり、フォークの旗手ボブ・ディランは彼女のことを何度も歌っている。つまり、イーディはアメリカの60年代を象徴する最大のアイドルだったのだ。そして1971年、ドラッグ中毒に陥った彼女は28歳の若さで急逝した。それはあまりにも60年代的な死だった。

ファッション蘊蓄事典(2004年(平成16年)9月発行)デジタルより