服装の流行は、まず「モード」として現われる。ここでいうモードとは「最新型」という意味で、デザイナーによる「創作」などがここに含まれる。これが流行に敏感な人たちの支持を得て拡大すると、「ファッション」と呼ばれるようになるのだ。ここでのファッションとはまさしく「流行」の意味。そして、ファッションがさらに普及し、大衆の間で定着を見るようになると、これは「スタイル」という言葉に置き換わる。スタイルとは、すなわち「定型」とか「様式」の意味。これを「流行の三角構造」などと呼んでおり、ファッション界では常識的な考え方となっているのだが、実際にはモード、ファッション、スタイルの使い分けはこれほど明確には行われてはいない。近ごろの流行を見ていると、モードとして生まれてはみたけれど、ファッションになるまでに消滅してしまう例が驚くほど多いことに気づく。これを「ファド」とか「クレイズ」と呼ぶことも覚えておきたい。

体のラインを強調させるファッション表現だった

年代別『流行ファッション』物語:体のラインを強調させるファッション表現だった

「ワンレン・ボディコン」1986~1989

隆盛を誇ったDCブランドに陰りが見え始めた1986(昭和61)年頃、若い女性たちの間に「ボディコン」と呼ばれるファッションの動きが始まった。ボディーコンシャスを短縮してボディコンといい、それは体のラインを強調させるファッション表現だった。肩が大きく張り、ウエストをぐっと絞った逆三角形型のテーラード・ジャケットに、スリットの入ったミニ丈のタイトスカートを合わせて、バストとウエストとヒップを目立たせるセクシーなルックスがそれ。そして髪型はワンレングスを略した「ワンレン」というストレート・ロングヘアで、これを一緒にして「ワンレン・ボディコン」と俗称されるようになる。DCブランドの中でもそうした特徴の強い「49AVEジュンコ・シマダ」や「ピンキー&ダイアン」といったブランドが人気となり、中でも「ピンキー&ダイアン」は「ピンダイ現象」と呼ばれて、「ワンレン・ボディコン」の代名詞とされるようになっていったのだ。