CINE PREVIEW:ファンダンゴ

男子專科 1986年5月号 NO.266 より

ファンダンゴ

とうとう70年代もセンチメンタルな記憶の中で青春のファンタジーとなってしまったのか---という感傷に思わず酔ってしまった

『ファンダンゴ』というタイトルを声に出すと、10人中8人は変な顔をし、”何だい、それ?”と問い返してくる。ダンゴという言葉から日本独特のたべ物おだんごを連想する人もいれば、音楽として踊りとして知られるタンゴと似ているな!?とうけとる人もいる。いずれにしても、このタイトルは日本人にとって奇妙な形でひっかかる印象的なタイトルであることは確かだ。

今度公開されるこの映画のタイトル『ファンダンゴ』とは、スペインのダンス曲(映画でも踊るシーンがある)のひとつであり、バカげた行動、バカ騒ぎという意味の言葉である。そして、映画を見終わると”なるほど!”と誰もがこのタイトルにはナットクする。

では、どんなことからバカ騒ぎが起こる映画なのか?というと、大学の卒業を目前にした5人のアメリカ青年が、思いっきり解放感を味わってみようと話がまとまったことがキッカケとなる。この誰もが考えつくイベントから、思いがけないバカ騒ぎが起こり、それが想像もしていなかったダンス・シーンを迎えるというのが、ストーリーの骨子となっている。