「取るに足らぬこと、些細なこと」を英語でトリビア trivia といい、当時のテレビ番組『トリビアの泉』以来、大変な雑学、蘊蓄ブームを巻き起こすようになっているが、ファッションの世界にはこれに類するトリビアがことのほか多く見受けられる。たとえば「腹巻き」は16世紀のヨーロッパで生まれ、日本では明治時代にキモノから洋服に変化したときに帯の代わりに用いられたという。またトートバッグはもともとキャンプ地で水を運ぶために使われていた、というのもこれを知らない人にとっては「目からウロコ」の話となるだろう。ファッションに関するトリビアは語源や発生にまつわる話が多いけれど、それを知っているとつい誰かに自慢したくなるものだ。それこそトリビアのトリビアたるゆえんなのだが、あの女性ファッション誌『JJ』のタイトルが「女性自身」のアルファベット綴りの略からきているって知っていました?

ブリーフは海水パンツから生まれた

ファッション・トリビア蘊蓄学:ブリーフは海水パンツから生まれた

キミはブリーフ派か?トランクス派か?などとこれは男の下着パンツに関する質問だが、1933年以前にはこのような問答が起こるはずもなかった。なんとなれば、ブリーフは1934年、アメリカの「ジョッキー」社によって初めて作られたものであるからだ。もっとも、当時の社名は「クーパー」といい、この新型下着に「ジョッキー・ショーツ」と名付けたところからジョッキーという社名も誕生することになったのだ。ブリーフの元になったのは、1930年ごろフランスのリゾート地リビエラに登場した大胆なカットの海水パンツであったという。余分なものをすっきりと取り去った水泳用のトランクス、それはYの字型のフロント・デザインを特徴としたブリーフだった。ちなみにブリーフとは「ちっぽけなもの」という意味を持つ。このころ上下つなぎとなったタンクスーツと呼ばれる水着の上半分が独立して、新しい男の下着シャツも生まれている。これがすなわち「タンクトップ」なのである。