「取るに足らぬこと、些細なこと」を英語でトリビア trivia といい、当時のテレビ番組『トリビアの泉』以来、大変な雑学、蘊蓄ブームを巻き起こすようになっているが、ファッションの世界にはこれに類するトリビアがことのほか多く見受けられる。たとえば「腹巻き」は16世紀のヨーロッパで生まれ、日本では明治時代にキモノから洋服に変化したときに帯の代わりに用いられたという。またトートバッグはもともとキャンプ地で水を運ぶために使われていた、というのもこれを知らない人にとっては「目からウロコ」の話となるだろう。ファッションに関するトリビアは語源や発生にまつわる話が多いけれど、それを知っているとつい誰かに自慢したくなるものだ。それこそトリビアのトリビアたるゆえんなのだが、あの女性ファッション誌『JJ』のタイトルが「女性自身」のアルファベット綴りの略からきているって知っていました?

ブランドとはもともと「木の燃えさし」という意味

ファッション・トリビア蘊蓄学:ブランドとはもともと「木の燃えさし」という意味

今の日本は大変なブランド・ブームの時代となっており、どこにもかしこにも有名ブランド品が転がっているが、そもそもブランドなんて「木の燃えさし」といった意味でしかないのである。他に「燃え木」とか「牛に付けた焼印」といった意味もあるが、要はそれが誰のものであるかを明確に示すために、木の燃えさしなどで付けた「焼印」、これがブランドの源なのだ。こうしたブランドの発祥地はイギリスとされ、それがフランスに導入されて発展したというのがブランド・ヒストリー。現在では単なる印などではなく、商品そのものの価値を表わす特定の商品表示名などと定義され、マーケティング上の重要な手段のひとつとされているが、そう考えればそれほどありがたがるほどのものでもないのではないだろうか。見栄っ張りと小金持ちが多過ぎる日本、そこにつけ込む偽ブランド品の横行という今日の現象は、まさに滑稽である。