男子專科 2014 AUTUMN vol.2 より

男子專科 2014 AUTUMN vol.2

サヴィル・ロウに妖精の粉をふりかけたスウィンギン60’Sのピーターパン(7)

ブライアン・エプスタインとの出会い

『アド・リブ』というクラブは、1966年に閉店するまでビートルズとその関係者のたまり場だった。この当時のビートルズはアイドル路線から脱却し、音楽的にも高度なものを追求していた。アルバム『ラバーソール』(66年)ではジョージ・ハリスンがインドからシタールを持ち込み録音に取り入れた。『リボルバー』(66年)では、はやくもサイケデリックに傾倒している曲がある。そして、複雑な楽曲をステージで再現することが困難になったことを理由に、コンサート活動の中止を宣言するのもこの頃だった。

こうしたアーティストたちの心境の変化を見抜いて、素早く対応するのが敏腕マネージャーの能力。ブライアン・エプスタインも、ビートルズにアイドルグループ然とした制服的なものをあてがうより、メンバーそれぞれの個性を重んじた着こなしをさせたほうが効果的であることに気づいていた。しかしいったいそれはどんなものなのだろう?

・・・次回更新に続く