ぴあ・フィルム・フェステバル 力作・話題作が集まった内容の濃いフェスティバルが今年も始まる(1)

男子專科 1986年7月号 NO.268 より

男子專科 1986年7月号 NO.268 より

今の日本では”映画”はすでに決してレジャーな娯楽ではない。そのことは十分にわかっているが、今日私たちが見ることのできる映画には制約がありすぎるように思えてならない。はっきり言って”金”になる映画しか映画会社は作らないし、公開しないのだ。映画がビジネスという一面を持つ以上これはしかたないことなのかもしれない。しかし、そうなると見られる映画は洋画らばアメリカの邦画ならば似たパターン展開の、どちらも娯楽映画ばかりとなってしまうだろう。だが、映画にはビジネス以外の面もある。”文化”という面だ。しかし、今日の日本の映画界には、映画は文化だなどと悠長なことを言っているゆとりがないのも事実であろう。

こうした情況の中で、日本であまり紹介されることのない”若い”各国の映画人の作品”を集めた『ぴあ・フィルム・フェスティバル』が開催される。このフェスティバルは東京圏・大阪圏で情報誌を出している”ぴあ”という会社がプライベートに行なっているイベントで、今年で9回目。採算を度外視しているということだが、そのイベントの内容はなんとも濃い。

プログラムは、自主映画作家の作品を対象にしたコンペディション型式の”一般”公募部門、日本ではあまり見ることのできない海外の若い映画作家の作品を集めた”海外招待部門”、そして毎年ユニークな作品を上映する”特別企画部門”の3つからなっている。

この”一般公募”の中からは森田芳光や石井聰互を始め、多くのプロ監督が生まれている。

・・・次回更新に続く