昨日と今日の男の博物誌:サム・シェパード 男子專科 1986年2月号 NO.263

男子專科 1986年2月号 NO.263 より

サム・シェパード(アメリカ:劇作家・俳優:1943~)-2

天才?不満足が少し深いだけさ。

こうしたヒトが優れた劇作家であり、それもオフ・ブロードウエイのアンダーグラウンド演劇で異才を示しつづけてきたヒトてあるとはにわかには信じ難いのですが(ニッポンのアングラ劇団の作家たちの顔を思い浮かべるとますます信じられなくなりますよね)、天は二物を与えるという突然変異はやっぱりいつかは起こることらしい。

「ぼくは、書くヒトなんだよ。演じれば演じるほど、演じることに抵抗すればするほどね」

こう語るサム・シェパードは『ライト・スタッフ』のイエーガー役を終えると、ドイツの映画作家ヴィム・ヴェンダースのためにオリジナル・シナリオを1本書き上げます。

その作品がカンヌ映画祭でグランプリを獲得したあの『パリ・テキサス』だと知れば、シェパードの鬼才ぶりがますます謎めいてこないでもない。いともあっさりと音速を超えた男イエーガーのように、あっさりと熱いドラマを書きあげてしまうシェパードの才気と活力は、いったい、どこからやってきたのでしょうか?

・・・次回更新に続く