昨日と今日の男の博物誌:サム・シェパード 男子專科 1986年2月号 NO.263

男子專科 1986年2月号 NO.263 より

サム・シェパード(アメリカ:劇作家・俳優:1943~)-7

天才?不満足が少し深いだけさ。

ビショップス・カンパニー劇団の講演旅行から帰ると、こんどは「サム・シェパード」という新しい名前をポケットにいれて再び新しい旅に出かけてゆきます。スティーブ・ロジャースという名前をやめることにした理由は、「ロジャーズっていうのは、なんとも陳腐な名的だし、サム・シェパードのほうが短くていいからね」ということらしい。

行く先は、もちろん、ニューヨークてした。

1963年。アボカド農園からやってきた20歳のサムはスパニッシュ・ハーレムに住み、客の皿を片づけるバスボーイの仕事をしながら第1作『カウボーイズ』を書き上げます。サムがすばやくニューヨークの街に溶けこむことがてきたのは、ハイスクール時代たまたまいっしょだったチャールズ・ミンガスの息子とグリニッチ・ヴィレッジで出会うことができたからでした。詩人バイロン(?)は、朝、目が覚めたら有名になっている自分を発見したそうですが、サム・シェパードの登場もそれに劣らないものだったといえるかもしれない。

・・・次回更新に続く