DANSEN FASHION 哲学 No.111 村上春樹:一着のレインコートをめぐる小説風断片(10)
一着のレインコートをめぐる小説風断片(10) 通りではまだ雨が降りつづけていた。弱まるわけではなく、かといって強くなるわけでもない。のばされた思い出のように、雨はこのまま永遠に降り続のくかもしれない。 まるで水族館の中に […]
DANSEN FASHION 哲学 No.141 荒木経惟:知性が恥性を必要とする(2)
男子專科(1983年7月号)より パーティーのために装う これは気配りよ 普段着でもいいってもんじゃない メガネといえば、アタシのまん丸メガネはトレードマークみたいだけど、自分にほナウいナス引のレイバンは似合わない、東条 […]
DANSEN FASHION 哲学 No.28 赤塚不二夫:ひとときの終末を美しく(4)
男子專科(1972年9月号)より なんでも着てしまうタフな精神を グロテスクな美しさが時代を彩るということは、どういうことを意味しているのだろうか? やはり権威や社会の規制なり、生活の不満、不安に対する人間の心理的抵抗と […]
DANSEN FASHION 哲学 No.111 村上春樹:一着のレインコートをめぐる小説風断片(1)
一着のレインコートをめぐる小説風断片(1) 例えば小説を書く。 もちろんちょっとしたスケッチでもいい。これなら簡単た。頭の中にふと浮かんだひとつのシーン、それで十分だ。 例えば・・・・・・登場人物は1人の男、外は雨。季節 […]
DANSEN FASHION 哲学 No.9 三島由紀夫:男らしさの美学(3)
人間の価値は端正な肉体にある・・・1 そもそも東洋における男の服飾とは、肉体を隠蔽し、権力を誇示し、裸にしてみれば誰も同じ肉体に、ムリヤリ階級差を与へるところに生れた。起りはインチキとゴマカシである。男は支配のためにはど […]
DANSEN FASHION 哲学 No.111 村上春樹:一着のレインコートをめぐる小説風断片(5)
一着のレインコートをめぐる小説風断片(5) ・・・・・・これがコートだ。書きながら、僕にもこんなコートがあればいいな、と思う。そしてそのコートのことを少し考えてみる。それも文章を書くことの楽しみのひとつだ。きっとハンフリ […]
DANSEN FASHION 哲学 No.9 三島由紀夫:男らしさの美学(1)
権力はゴマカシの美しさである・・・1 金持といふのは仕方のないもので、銀座の洋服屋で毎月十着づつ背広を作ってゐる人がゐた。一年で百二十着になってしまふから、家中、洋服に埋もれて暮してゐるやうなものである。当時私は、お洒落 […]
DANSEN FASHION 哲学 No.165 楳図かずお:原色と横縞と星が好きで、まるで星条旗(4)
ファッションも遊びの精神で・・・2 だから僕は、気に入ったベルトを見つけると、ブルー、黄色、ピンク、黒といった具合に、好みの原色を何通りかいっしょに買うことが多い。Tシャツなんかにしてもそうだ。こうして揃えておくと、その […]
DANSEN FASHION 哲学 No.165 楳図かずお:原色と横縞と星が好きで、まるで星条旗(6)
基本姿勢は生活感の排除・・・2 いくら派手好き、目立ちたがり屋の僕でも、状況が合わないとやっぱり着にくい。着ても伸び伸びできないこともある。好まない人がいると肩身はせまい。自分ひとり変わったかっこうをしていると「アホ!」 […]
DANSEN FASHION 哲学 No.9 三島由紀夫:男らしさの美学(7)
装いの美は軍服にある これでは、いつまでたっても、東は東、西は西である。東西揆を一にした男子の服飾といふものがあるだらうか。ある。それは軍服である。 軍人は何より肉体的職業であり、肉体の鍛錬がすべてに先行するから男の肉体 […]