サヴィル・ロウに妖精の粉をふりかけたスウィンギン60’Sのピーターパン(4)
サヴィル・ロウのピーターパン登場
しかしサヴィル・ロウはまだこの時代にもっとも重要なカスタマーの存在を把握しきれていなかった。それがビートルズ、ローリング・ストーンズといったロックスターたちだ。彼らがもしトミー・ナッターというスウィンギン・シックスティーズの生んだピーターパンに出会わなかったら、保守的服装のイメージが強いサヴィル・ロウには近づきもしなかったかもしれない。
トミー・ナッターは1943年にウェールズで生まれた。1965年頃にバーリントンアーケードでエドワード・セクストンと出会うことになる。彼らは同じテーラーで働いていたからだ。
このテーラー『ドナルドソン、ウィリアム&ワード』は、顧客に王室や貴族もいる上等な仕立
て屋だったらしい。
後にトミー・ナッターのビジネスパートナーとして仕立ての腕を振るうエドワード・セクストンはフレッド・スタンバリー&キルガーでトレーナー(訓練生)として修行し、ほどなくマスターテーラーとなる逸材であった。
・・・次回更新に続く