昨日と今日の男の博物誌:ウッディ・アレン

男子專科 1986年7月号 NO.268 より

ウッディ・アレン(アメリカ:俳優・監督・作家:1935~)-3

高卒だって?30年遅いね。

83年の作品『カメレオンマン』の原題は「ゼリグ」。この映画でアレンが演じているのは、レナード・ゼリグというユダヤ系アメリカ人の超異常体質者。演じているというよりも、化けまくっているとでも言ったほうがいいかもしれません。

このゼリグ氏ときたら、どんな人間、どんな状況に対してもまるでカメレオンみたいに同化融合して変身してしまうという「奇病」の持ち主。大リーグの選手に変身してべーブ・ルースのうしろに現われたかと思うと、天才作家フィッツジェラルドのかたわらでインテリ文学者に変身しきっている。

あるいは、ナチの幹部将校となってヒトラーのとなりに立っている。というぐあいに奇想天外、支離滅裂なカメレオン化をかさねゆく男のハナシを映画にしているわけですが、とにかく、ゼリグ氏のおかしなおかしな変身症ぶりには笑わせられたものでした。

・・・次回更新に続く