なぜビキニパンツというの?

服装スタイルの「謎・不思議」: なぜビキニパンツというの?

ファッションについては大概のことは知っているつもりだが、それでもどうしてもわからないことは多い。たとえば「リゾート着はなぜ派手なプリント柄が多いの?」と問われても、リゾートウエアってそんなものでしょ、とか、そうじゃない大人しい無地のリゾート着ってのも結構あるよ、などと答えるしかないのだ。ま、これもファッション・トリビアに関するようなもので、知っておいて損にはならないが、知らなくてもどうでもよいことが多い。ただしフォーマルウエアについての知識、こればかりは知っておいてけっして損にはならない。というよりも知らないと恥をかくことにもなりかねないのだ。何をどう着ようがかまわない自由な着こなしが横行する現代の世の中だが、フォーマルウエアの世界だけはそういうわけにはいかない。

ビキニの語源は太平洋ミクロネシアの「ビキニ環礁」にある。1946年7月1日のこと、アメリカがこの海域で広島や長崎型より強力な原子爆弾の実験を行い、ビキニという名前は全世界に知られるようになった。その同時期、フランスで画期的な女性水着の発表を控えていたデザイナーがいた。その名をルイ・ルアーという。女性のハダカを極限まで露出させたこのセパレーツ式の新型水着をより衝撃的に発表するには、それにふさわしいキャッチフレーズが必要だ。そう考えていた彼は、この原爆実験の話題に飛びついた。そして、これに「ビキニ」と名付けて売り出したのである。結果は大成功! それ以降、こうした水着および小さな下着は世界的にビキニと呼ばれるようになったのである。ちなみに「モノキニ」と呼ばれるトップレス型の女性水着があるが、これはブラとショーツのふたつの部分で構成されるビキニに対して、ひとつの(モノ)ビキニという意味で命名されたもの。