「取るに足らぬこと、些細なこと」を英語でトリビア trivia といい、当時のテレビ番組『トリビアの泉』以来、大変な雑学、蘊蓄ブームを巻き起こすようになっているが、ファッションの世界にはこれに類するトリビアがことのほか多く見受けられる。たとえば「腹巻き」は16世紀のヨーロッパで生まれ、日本では明治時代にキモノから洋服に変化したときに帯の代わりに用いられたという。またトートバッグはもともとキャンプ地で水を運ぶために使われていた、というのもこれを知らない人にとっては「目からウロコ」の話となるだろう。ファッションに関するトリビアは語源や発生にまつわる話が多いけれど、それを知っているとつい誰かに自慢したくなるものだ。それこそトリビアのトリビアたるゆえんなのだが、あの女性ファッション誌『JJ』のタイトルが「女性自身」のアルファベット綴りの略からきているって知っていました?

大リーグに半ズボンのユニホームがあった

ファッション・トリビア蘊蓄学:大リーグに半ズボンのユニホームがあった

野球ユニホームの誕生は、1849年のアメリカ・ニューヨークの「ニッカボッカークラブ」からとされる。この時のユニホームは白のポロシャツに青のズボン、それに麦わら帽子をかぶるというスタイルだった。その後1899年に「同じチームの選手は同じ色、形、デザインのユニホームを着用すべし」という規則が制定され、今日見るようなスタイルになってゆく。しかし、長い歴史の中ではユニークなデザインのものも見られた。そのひとつにアメリカ大リーグのホワイトソックスが、1976年から6年間着続けた衿付きのトップスにショートパンツというスタイルがある。野球ユニホームのトップスはふつう半袖の丸首型のトップスにアンダーシャツの組み合わせとなっているが、これはウイングカラー(鳥の翼型の衿)のような衿が付いているのが特徴。加えてボトムが膝上までの長さしかない半ズボンときているのだから、ファンは驚くしかなかったという。